永久機関でも発明されない限り,電力の生産は必要になる。コンセントに頼るのではなく,自らが電力生産しなければいけないときが来る。歩いているときも,寝ているときも,いつも,いつも。
インテリジェント・ポリマーによって,怪我をするような動きをすると警告するひざ当て,着ているだけで太陽光発電する衣服,患者の身体の状態をモニターできるシーツなどが生まれる。電力消費の少ない通信機器用に,発電機能を備えた服が開発されるかもしれない。
充電池というのはいつも必要なときに切れるものだ。ネットワークは爆発的に広がっている今日この頃,よくよく考えればネットワーク機器はすべて電気を消費しているわけで,電力の創出を伴わぬネットワークの拡大は,どこかで終わりを迎えてしまう。たとえ小さな電力でもつくることができれば,ネットワークはより広がる,世界はより広がる。携帯電話もより明確なネットワーク端末となり,PDAも同様になり,そのときに太陽光なり,自分の身体の動きなりで電力を生産することは,大事なこと。
もちろんそれだけで必要な電力がつくられるわけはなく,サポートをするぐらいにとどまるのだけれど,それがあるかないかで,「必要なとき」を乗り切れるかもしれない。インテリジェント・ポリマーは,ネットワークの拡散に欠かせないものになる。待ち受けの状態ぐらいの電力は生産できるのだから。地球はそんなに裕福な星ではなく,消費は自らの生産によって許される,というときがやがて来る。インテリジェント・ポリマー以外に頼るものがない,そんな日が来る。
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